議論においては「双方の納得」が大事

コミュニケーション

もめている二人

 先日、私が仕事をしているとき、かるいもめごとに出くわしました。

 長い間、二人の方が話し合っています。二人の関係は上司と部下のようです。どうやら仕事の進め方で意見が分かれているようでした。部下の考えている方法と上司の考える方法、どちらが効果的であるかを話し合っています。

 どちらの方法が正しいかはここでは言及しませんが、気になったのは上司のセリフでした。

 思いとどまらせるにあたって、「それは無駄だ」「その方法は意味がない」という言葉を使っています。もちろん無駄な理由もきちんと述べてはいますが、最後に必ず「だから無駄だよ」と言いような否定的な言葉をいれます。

 最終的には部下が折れました。しかし「おっしゃることは分かりましたが、納得できません」ということをはっきりと言っていました。

この議論は結果的に上司の失敗

 話し合いの結果、上司の案が通った訳ですが、果たしてこれは議論として成功だったでしょうか?
結論から言えば失敗です。なぜかといえば、部下は全く納得していないからです。

 このような議論や交渉で大事なのは、どのような結論になったかではなく、双方の納得があったかどうかです。

 双方の納得が無かった場合、どうなるのでしょうか。

感情や納得感を大事にしないと良い結果にならない

 人間は感情の生き物です。この議論で部下側に残ったのは「この件に関しては上司の正しい意見に従おう」という気持ちではなく「納得のいかない不愉快な思いをした」という感情です。

 今回のように納得できず、負の感情を残したまま議論を終えると、その議論で決定されたことはなかなか守られなくなります。また今後、部下から建設的な意見が出なくなります。

 上司はどうすべきだったでしょうか?

 仮に部下のプランがダメであったとしても、理詰めではなく、感情も考慮しながら説得すべきでした。もしくは、多少効率が悪くてもゴールが同じなのであれば、部下の意見を採用すべきでした。

 さて今回は上司の方法がとられたわけですが、果たしてそれは本当に効率よく運用されるでしょうか。

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