10人に7人は説明が下手
私は立場上、何かしらの問題が発生した場合に解決のためのアドバイスを求められることがよくあります。この時によく感じることを紹介します。
それは、問題点を上手に伝える事ができる人は意外と少ない、という点です。
これは外向型・内向型を問いません。外向型であっても下手な人は多いです(内向型の人よりはやや上手である傾向はありますが)。年齢やキャリアも関係ありません。ベテランと言えるような人でも、説明上手な人はそうそういません。職場に10人いたら、7~8人は残念ながらあまり上手ではありません。
よくある下手な部類、3つのタイプ
その説明下手な部類に入ってしまう人は、概ね次の3タイブに分けられます。
・前振りが長くてなかなか本題に入らないタイプ
・問題発生事象だけを伝えて、どう解決して欲しいのかを伝えないタイプ
・単なる報告かと思いきや、実は問題解決の相談に来ていたタイプ
これらを少し深堀してみます。
前振りが長くてなかなか本題に入らないタイプ
問題解決したいということはわかるのですが、本題に入る前の苦労話や今までの経過の話が長く、結局、何が問題であるか明確にならないタイプです。 こちらとしては集中力が続かず、ほとほと疲れてしまいます。 問題点も明確にならないことが多く、時間ばかりが過ぎていきます。
問題発生事象だけを伝えて、どう解決して欲しいのかを伝えないタイプ
ある意味、丸投げタイプとも言えます。いきなり問題発生の事象だけを淡々と伝え、 唐突に「どうしたら良いですか?」 と聞いてくるタイプです。 こちらとしては、目指しているゴールがどこであるか分からないため、解決方法の探しようがありません。 ヒアリングを重ねながら問題解決への道筋をたどっていきます。
単なる報告かと思いきや、実は問題解決の相談に来ていたタイプ
いわゆる「報連相」が苦手なタイプです。 報告かと思いそのつもりで話を聞いていたら、突然「これを解決するにはどうしたらいいですか?」 と聞いてくるタイプです。 こちらとしては不意打ちのようなものなので、返答に困ります。 結局話を最初から聞き直さなければなりません。
説明が下手な人はいつまでたっても下手なまま
説明が下手な人は、意識してトレーニングを積まないと上達しません。 しかし本人がそのことに気が付くことはほとんどありません。 なぜでしょうか。
それは相談者が話し下手であったとしても、相談を受けた側が聞き上手であることが多く、聞き手は問題解決のためのヒントを上手く引き出しながら解決に向かっていくため、一見上手くコミュニケーションが取れているように見えてしまうためです。 話がスムーズに進むため、相談者は自分が下手であることに気が付きません。
そして、聞き手はわざわざ「あなたは説明が下手ですね」などとは言いません。その結果、聞き手側はますます上手になり、相談者は相変わらず、という状況になります。
「話せる」だけで価値が上がる
そしてタイトルに戻りますが、逆に言うと、この説明スキルを身につけると、10人に1人の存在になります。
いまの状況を上手にまとめ、責任者に状況を適切に伝え、正しい道を探れる人です。 専門性を持たなくても、「話せる」と言うだけで重宝されます。特に役職の高い人からは重宝されます。 専門性を持たないが故に、逆にどこでも働けるという不思議な現象も実際に起きます。
そして実は、内向型の方はこのような能力にたけています。物事の本質を見る力があるためです。